【樹脂から金属へ】図面・本体なし!支給された「樹脂キャップ」からステンレス製を現物レスで削り出す
いつもお世話になっているお客様から、ドラム缶のキャップ(フタ)製作のご相談をいただきました。
お客様の手元には、現在使用している「樹脂(プラスチック)製」のキャップがありました。しかし、より過酷な環境での使用や耐久性アップを目的として、「この樹脂キャップと同じ形状で、頑丈なステンレス製のキャップを作ってほしい」というご要望でした。
図面なし、さらに「合わせる本体」もない
現物(支給品)をベースにした材質変更のご依頼ですが、ここで大きな壁が2つありました。
- 図面もネジ規格も不明: 古い容器のため、ネジの規格が何なのかお客様も把握されておらず、図面もありませんでした。
- 合わせる相手(ドラム缶本体)がない: 通常、現物からネジをコピーする際は、相手の本体(メス側)に実際に入るかテストしながら削ります。しかし今回は、相手が大きなドラム缶のため手元にありません。
つまり、「お預かりした樹脂キャップ(現物)だけを頼りに未知のネジ規格を割り出し、一発勝負でドラム缶にピタリとハマるステンレスキャップを削り出す」というミッションです。
最大の壁:「樹脂の寸法」をそのまま金属にすると失敗する
杉浦製作所では、お預かりした樹脂キャップを精密に測定(リバースエンジニアリング)し、ネジのピッチや形状を正確に割り出しました。
ここで最も神経を尖らせたのが「材質の違い」です。樹脂は柔らかいため、ネジが多少キツくても「しなり」でねじ込むことができます。しかし、ステンレスは全く融通が利きません。樹脂の寸法をそのまま金属でコピーして削ってしまうと、現場で「途中で噛み込んで回らない(かじる)」という大惨事になります。
相手の本体がない状態でもトラブルが起きないよう、樹脂特有の寸法を金属用に補正し、ステンレスを削り出しました。
お客様からの声:「特に不具合なし!」
完成したステンレス製キャップをお客様の現場へ納品しました。 後日いただいたご連絡は「使ってみたけど、特に不具合なし!」という非常にあっさりしたものでした(笑)。
PTFE(右)_up.jpg)

一見そっけなく聞こえるかもしれませんが、我々モノづくりの人間にとって、「現場で何の問題もなく、当たり前に使えている(不具合なし)」というのは最高の褒め言葉です。
相手の本体がない状態での、柔らかい素材から硬い素材へのシビアな材質変更でしたが、一発で無事にフィットし、お客様の業務を止めずに済んで本当にホッとしました。
【図面がない部品の「材質変更」もお任せください】 「いま使っている樹脂部品を金属に変えて強度を上げたい」「この現物と同じものを別の材質で作ってほしい」といったご相談も大歓迎です。杉浦製作所が、図面なし・現物のみからでもリバースエンジニアリングで最適な部品を削り出します!
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